川島 崇志 / TAKASHI KAWASHIMA

茶の馬とオリーブ
2024.02.24 ~ 2024.04.07

川島は自然現象や土地の記憶から始まる「不在」を主たる制作テーマとして作品を制作してきました。2015年には文化庁メディア芸術祭審査員会推薦作品への選出や、2019年には世界中の若手作家を対象とした「Foam Talent(オランダ、 Foam美術館)」に選出されるなど、国内外問わず活動しています。 近年の世界情勢を考える中で、離れた地や対岸に住む隣人を思いやることの豊かさを感じた作家は、詩的なユーモアを交えながら、海や川を挟んだ両岸に同じように存在するものをモチーフとして制作を始めます。

本展「茶の馬(ま)と オリーブ」では、近年川島が制作を続ける、海峡に住む野良馬をモチーフとした作品「岬の馬は向こう岸の夢を見る か?」を軸として、本展開催のために岡山近郊で滞在制作を行なった新作も初披露となります。 茶亭という空間的特徴を踏まえて、さまざまな語り口のもと構成された作品が、皆様の日常をより豊かなものへと変える契機となることを願います。 


作家略歴

川島 崇志 | Takashi Kawashima | かわしま たかし 写真家。1985年宮城県生まれ、東京都在住。2008年東京工芸大学芸術学部写真学科卒業、2011年同大学大学院芸術学 研究科博士前期課程メディアアート専攻写真領域修了。2016年から2018年までオランダ・アムステルダムを拠点として 活動し、2018年帰国。東京工芸大学芸術学部写真学科助教。写真作家、コマーシャルフォトグラファー、大学教員と して活動している。主な受賞歴としては、世界中の40歳以下のアーティストを対象として懸賞する、Foam Talent 2019(Foam美術館、オランダ、2019年)の受賞を筆頭に、第18回文化庁メディア芸術祭・アート部門・審査員推薦作品 (文化庁、東京、2015)、Tokyo Frontline Photo Award・グランプリ(東京、2012)等がある。主な展示に、『Absence and Ambience』(大和日英基金ジャパンハウスギャラリー、イギリス、2017)、「あざみ野フォト・アニュアル」(横浜 市民ギャラリーあざみ野、横浜、2020)、「je marche, j’ouvre une porte, je ferme une porte」(Kasteel Wijlre、オラン ダ、2017)、「文化庁メディア芸術祭京都展| Ghost」(ロームシアター京都、京都、2018)など、国内外で多数の展覧会 に出展。主な写真集には『新しい岸、女をめぐる断片』(artbeat publishers、東京、2013)、『描きかけの地誌/蒐集』 (artbeat publishers、東京、2015 )